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2010.03.12

横浜型地域貢献企業に17社を認定、計94社に

出典:カナロコ

 「横浜型地域貢献企業」の2009年度第2回認定企業17社に10日、証書が交付された。雇用や環境などの地域性や経営システムなど、CSR(企業の社会的責任)に取り組む横浜市内の企業を支援する制度。07年度から横浜企業経営支援財団が認定を行い、今回で計94社となった。

 企業名は次の通り(かっこ内は区名、事業内容)。

 ▽安藤建設(磯子、建設業)▽エスワイシー(同、総合建設業)▽エヌ・アイ・コーポレーション(中、酒類および原料等の輸入販売)▽カギの横浜ロックサービス(南、建具工事業・防犯工事業)▽キクシマ(港南、総合建設業・鉄骨加工業)▽国際通信企画(港北、電気工事業・電気通信工事業)▽シグマ映像(磯子、映像・音響機材のレンタル・販売およびイベント運営サポート)▽白井組(中、建設業)▽スリーハイ(都筑、電気ヒーター等の製造販売)▽清進電設(神奈川、電気工事業)▽タスクフォース(港北、受託開発ソフトウエア業)▽谷口建設(磯子、土木・舗装・水道施設工事業)▽中込製作所(金沢、スチール家具の製造・販売)▽日進建設(戸塚、総合建設業)▽萬世リサイクルシステムズ(金沢、廃棄物再資源化事業)▽横浜環境保全(中、廃棄物処理業)▽yh(保土ケ谷、ファイナンシャルプランニング業)

2010.03.12

日銀仙台支店 東北の景気判断 6カ月連続据え置き

出典:産経新聞

 日銀仙台支店は11日、2月の東北の景気について「厳しい状況が続いているが、製造業を中心に持ち直しの動きが続いている」とし、判断を6カ月連続で据え置いた。

 底堅いアジア需要などを背景に、生産部門は持ち直していると評価。また、エコポイントの導入で省エネ家電の売れ行きが好調に推移し、公共投資も前年を上回るなど、政策効果もみられるという。

 一方で、個人消費の源泉となる雇用・所得は厳しい状況が続いており、設備投資も大幅に減少するなど、景気全体では前月との変動は少ないと判断した。

 福田一雄支店長は「景気持ち直しの動きは想定外に続いている。生産の動きなどから、(景気が底割れする)2番底シナリオは回避された」と指摘。さらに「啓蟄(けいちつ)の気配がある」との表現を使い、4月からの新年度に向け、企業投資や個人消費の活発化に期待を滲ませた。

2010.03.12

柱、はりにぬくもり 木材通常の1.7倍 諸塚産使用 宮崎・日向市にモデルハウス

出典:西日本新聞

 宮崎県諸塚村産の木材を使ったモデルハウスが同県日向市浜町に完成した。同規模の住宅と比べ、柱やはりに1・7倍の量の木材を使って木のぬくもりを引き出したのが特徴。住宅版エコポイントにも対応している。

 諸塚村は森林組合などと連携し、1997年から村の認証材を使った「産直住宅」の販売に取り組んでおり、これまで210棟が建設された。木材は自然乾燥させたもので、人工乾燥と比べ色や香りが引き立つという。

 モデルハウスは平屋建て、床面積約115平方メートル。産直住宅を手掛ける建設会社「協栄」(日向市)がスギやヒノキ約45立方メートルを使い建設した。100年以上使える構造となっており、壁量を1・5倍にして耐震性を向上させた。蓄熱暖房器を備えて省エネにも配慮している。

 同村企画課は「身近な木で住む人や環境にやさしい家づくりを考えてもらえれば」と話している。問い合わせは協栄=0982(53)2902。

=2010/03/12付 西日本新聞朝刊=

2010.03.12

温室ガス総量規制が軸、原発推進明記…基本法案

出典:読売新聞

 地球温暖化問題に関する閣僚委員会が11日夜、首相官邸で開かれ、今国会に提出する地球温暖化対策基本法案の内容について合意した。

 焦点となっていた国内排出量取引制度では、企業の温室効果ガスの排出上限をどのように設定するかについて、「排出総量」を基本としながらも、単位生産量あたりの排出量などの「効率目標」も検討するとした。原子力発電については、国民の理解と安全確保を前提に推進する、との内容で落ち着いた。12日に閣議決定する。

 法案には、「2020年までに25%削減(1990年比)」の中期目標が、公平な国際枠組みなどに合意した場合という前提付きで盛り込まれる。

 排出量取引制度については、環境省が作成した当初案では、企業の排出上限を排出総量のみとしていた。これは、効率目標を上限にした場合、省エネが進んでも、生産量が増えれば排出量も増え、結果的に削減につながらないこともあり得るからだ。しかし、「生産抑制につながりかねず経済に悪影響を与える」と主張する産業界や連合に配慮し、効率目標も検討するとした。

 制度の創設時期は明示しておらず、法案成立後1年以内に法的措置を講じる。排出総量と効率目標がどのような形で規制に組み込まれるか、具体的な制度設計は今後の検討に委ねられた。

 発電時に温室効果ガスを出さない原子力発電については、「温暖化対策に必要不可欠」(直嶋経産相)とする意見と、「切り札にすべきでない」(社民党の福島党首)との主張があったが、温暖化対策の中で位置付けていくことになった。

 太陽光や風力などの再生可能エネルギーを電力会社が一定価格で買い取る制度の創設も盛り込まれた。

 ◆基本法案の骨子◆

 【目標】

 ▼中期目標(20年までに25%削減)は全主要国が公平な枠組みなどに合意時点で設定

 ▼中期目標設定までは長期目標(50年までに80%削減)達成に向け、基本的施策実施

 ▼世界全体の排出量を50年までに半減する目標を各国と共有するよう努める

 ▼再生可能エネルギー(太陽光や風力など)の供給を20年までに10%に

 【基本的施策】

 ▼国内排出量取引制度を創設。企業の排出上限は総量を基本に効率目標も検討

 ▼地球温暖化対策税の11年度実施に向け検討

 ▼再生可能エネルギーを電力会社が高値で買い取る制度を創設

 ▼原子力発電は安全確保と国民理解を前提に推進

2010.03.12

印刷工場の省エネで協業 オムロンとMTJNが契約

出典:京都新聞

 オムロンと、大日本スクリーン製造の印刷機器販売子会社メディアテクノロジージャパン(MTJN、東京都)は11日、印刷業界向けの環境経営支援ビジネスで協業契約を結んで本格サービスを始める、と発表した。オムロンの電力監視技術とMTJN社の販売網を生かし、印刷工場の電力削減を支援する。
 4月から企業単位でのエネルギー消費量削減を促す改正省エネ法が施行されるのを前に、企業の対策需要を取り込む。オムロンは物流業界向けの二酸化炭素(CO2)削減支援事業で昨春から日本IBMと協業を始めており、今回は第2弾となる。
 MTJN社は自社の顧客網を生かし、センサーによる電力使用状況の計測や省エネ支援のコンサルティングを手掛けるオムロンのサービスを提供する。電力消費量の多い印刷機器の待機電力削減や空調の節電などを図り、2010年度に売上高2億円を目指す。
 両社は同日、MTJN社の仲介でサービスを昨年導入した印刷会社金羊社(東京)の静岡県の工場で会見を開き、導入前より生産単位当たりの電力消費量を約15%、電気代を月約100万円節減した実績をアピールした。MTJN社の雨森章社長は「互いの強みを生かし、印刷工場の幅広い環境経営のニーズに応えていきたい」と述べた。

2010.03.12

<温暖化対策法案>12日に閣議決定へ 排出総量規制基本に

出典:毎日新聞

 政府の「地球温暖化問題閣僚委員会」は11日、地球温暖化対策基本法案をまとめた。焦点となっていた排出量取引制度の方式は当初、企業に温室効果ガス排出量の上限を課す「総量規制方式」としていたが、企業活動への影響が大きいとの産業界の反発を考慮。総量規制を基本に位置づけた上で、負担の少ない「原単位方式」も検討すると盛り込んだ。法案は12日に閣議決定し、今国会での成立を目指す。

 合意した法案では「20年までに90年比25%削減」を明記。ただし、「すべての主要国が公平で実効性ある国際的枠組みを構築し、意欲的な目標を合意した場合」との条件をつけている。50年までの長期目標は90年比80%減としている。また、温暖化対策税(環境税)は、11年度実施に向け検討するとした。

 副大臣を中心とした法案の策定作業では、基本的施策の中にある、排出量取引の方式と原子力発電の位置付けで調整が難航した。

 排出量取引について、民主党はマニフェストで「キャップ・アンド・トレード方式」と呼ばれる総量規制方式を明記した。しかし、産業界などは「企業活動を制約し、経済成長を阻害する」と反発。排出総量ではなく生産量当たりの排出量(原単位)などを目標とする方式を要求した。こうした動きを背景に、副大臣らの意見が分かれた。このため、鳩山由紀夫首相が出席した11日の閣僚委の判断に委ねられ、1年以内に法整備することで合意した。

 原発の扱いでは、脱原発を掲げる社民党が法案への明記に反対した。これを受け筆頭政策からは外したものの、社民党が与党の一員として折れた格好になり、温室効果ガスの25%削減の達成に欠かせない手段として推進を盛り込んだ。

【大場あい、柳原美砂子】

 ◇地球温暖化対策基本法案の骨子◇

▽温室効果ガスを2020年までに1990年比25%削減。主要国による公平で実効性ある枠組みの構築と意欲的な目標設定が前提

▽50年までに80%削減

▽国内排出量取引制度の創設。1年以内に法整備する

▽地球温暖化対策税(環境税)の11年度実施に向けた検討

▽家庭で発電した全量を電力会社が買う固定価格買い取り制度の創設

▽20年までに再生可能エネルギーを1次エネルギー供給量の10%に拡大

▽原子力発電の推進

 ◇ことば・排出量取引◇

 企業などに二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量や排出効率の目標を設定し、実際の排出量などとの差を企業間や市場で売買して目標を達成する制度。総量規制方式は、政府が企業などに排出総量の上限(キャップ)を割り当て、その過不足分をやりとり(トレード)する。参加企業全体の排出減が可能とされ、欧州連合が導入している。一方、原単位方式は、生産量や売り上げ当たりの排出削減を課す。各企業の省エネ努力が反映される半面、生産活動が活発化すれば、国、企業全体の排出量が増加する可能性が指摘されている。

2010.03.12

【二〇三〇年】エピローグ 「百年後の日本」 選び取る未来 自ら開く道

出典:産経新聞

 「対面電話」「600人乗り飛行機」「平均寿命125歳」…。336ページに及ぶ旧仮名遣いの活字に「未来」がぎっしり込められていた。今から90年前の大正9(1920)年に雑誌「日本及日本人」が特集した「百年後の日本」。つまり2020年のわが国の未来図である。

 各界の識者350人が「100年後の日本の姿」について寄稿している。

 《郵便と電信はなくなりみな電波にて通信す》

 《女子の大臣もあれば大学総長、次官局長もある》

 《ノーベル賞金をもらった文豪が13人出ている》

 《土地は公有となる》

 ある医学博士は「交通機関の発達と人口増殖は、内外人の雑居雑婚を促進」とつづり、社会のボーダーレス化による国際結婚の増加を的中させた。旧制中学の校長は「人口の増加が停止す」と、わが国が現在直面する人口減少時代を見通していた。

 「日本及日本人」は明治21(1888)年の前身雑誌の創刊から平成16(2004)年の休刊まで、115年間続いた超長寿雑誌である。

 最後の編集長だった出版社社長、村瀬博一さん(66)は「すでに実現した予想もあれば外れたものもある。産業社会の興隆期に特有の科学技術に対する明るい未来像が多い。また、自由に考え発言している様子には大正デモクラシーの一端がうかがえる」と話し、こう続けた。

 「人間は本来、現在よりも未来に懸ける志向があるものだが、日本人はよりその傾向が強い。『日本民族』の未来というものを意識しているからだろうか。自分たちが向かっていく先の姿に、より関心が深いように思える」

 日本人はいつの世も未来を夢見ていた。そうであるはずだった。

 ≪3つの「万博」≫

 今月14日、大阪万博は昭和45(1970)年の開幕から40年を迎える。アジアで初めて開かれ、世界の万博史上空前の延べ6400万人が詰めかけた。

 当時、通産省で万博の企画を手がけた元経済企画庁長官、堺屋太一さん(74)は「大阪万博のテーマは『人類の進歩と調和』、コンセプトは『近代工業社会・日本』と明確だった。観客は『日本も近代工業社会になったんだ』と実感できた」と述べている。

 40年前、未来は明るかった。明日は今日よりよくなると誰もが信じていた。人々は岡本太郎の「太陽の塔」が見下ろす会場へ未来の姿を見に出かけた。アポロ12号が持ち帰った「月の石」に長蛇の列を成し、電電公社が開発した世界初の携帯電話「ワイヤレステレホン」を争って手に取った。

 35年後、平成17(2005)年の愛知万博。テーマは「自然の叡智(えいち)」と大きく変わっていた。総合プロデューサーを務めた環境デザイナー、泉真也さん(79)は「万博は時代や社会を映し出す鏡のようなものだ」としたうえで、こう話した。

 「万博が掲げるテーマもそれぞれの時代の理想を端的に示したものになる。35年の間に、日本社会も地球環境を無視しては成り立たなくなってしまった」

 5月に始まる中国初の上海万博のテーマは「より良い都市、より良い生活」。そこにはかつてわれわれ日本人のものだった無邪気とさえ呼べる明るさがある。未来への単純過ぎるほどの信頼がある。

 ひるがえってわが国の現状はどうか。日本人はもはや未来を夢見るどころか、未来を考えることさえ怖くなってしまった。「未来」を見に行ったはずの大阪万博は、日本人にとってすっかり「過去」の物語になってしまった。

 ≪希望への営み≫

 あなたの20年後を想像してみてください-。連載では、そんな質問を全国のさまざまな立場の人々に問いかけてきた。そこで返ってきた答えは、近未来への数々の「不安」だった。

 派遣労働者の若者は不安定な雇用形態の下、向上心や将来像を持てずにいらだっていた。農村では極度の高齢化の中、人々は「農家崩れたっていいさ」と震えるような文字を刻み込んでいた。

 政治や芸能、スポーツ界では世襲が広がり、低所得層では親から子へと貧困が引き継がれる「格差の世襲」が進んでいた。都市では老朽化する住宅の中で誰にも看取(みと)られず孤独死を遂げる人々がいた。

 一方で、灰色の未来像の中にさえ、かすかな希望を見いだせる人間の営みもあった。自身や社会の将来を思い描くことで不安の正体を明確にし、未来を少しでもよいものにしようと尽くす姿があった。

 数々の「近未来シミュレーション小説」を書いてきた作家、水木楊さん(72)によれば、「未来予測」と「シミュレーション」は似て非なるものだという。

 水木さんは「予測は『未来とはやって来るもの』という前提で立てるものであり、いわば天気予報のようなものだ。これに対し、シミュレーションは『未来とは選ぶもの』という前提で行うものだ」と述べ、こう結んだ。

 「自分の人生でもいい。会社の将来でもいい。いく通りかの未来を描くうちに、選び取るべき未来はおのずから明らかになってくる。とんでもなく暗い未来をバラ色の未来へと変えるために、どうすればいいか道が開けてくる」

 未来を描けるのは人間の特権である。だからこそ、人間だけが未来を選び取れる。未来に懸けられる。

 =完

 (連載は徳光一輝、千葉倫之、大坪玲央が担当しました)

2010.03.11

ガリバー創業者の出身地に凱旋出店、かいちょう店長も

出典:レスポンス

ガリバーインターナショナルは、同社創業者の出身地である福島県須賀川市に、ガリバー初のエコ店舗「ガリバー4号須賀川店」を3月13日にオープンする。

ガリバーの創業者の同社の羽鳥兼市会長は、福島県須賀川市出身で、1994年10月に車の買取専門店としてガリバーを創業した。今回、同業者の出身地に凱旋するかっこうで、同社が今後展開するエコ店舗の第1号店を出店する

エコ店舗は、省エネを図りながら展示車を魅力的に見せる屋外展示スペースをコンセプトとした取り組みが評価され、環境省が実施している「2009年度省エネ照明デザインモデル」に認定された。省エネ照明デザインは、商業施設や店舗の従来型照明について、施設の特性に応じて照明器具の配置や光源の使い方を見直すことで、省エネ効果を達成しながら空間創りの両立を実現するもの。

ガリバー初のエコ店舗となる須賀川店のオープン当日には、羽鳥会長自らが1日店長となり、特設ブースでは「エコカーをつくろう!」ワークショップなどを通じて、親子でエコを学べるイベントを開催する。

《レスポンス 編集部》

2010.03.11

遮熱三州瓦:省エネ効果 県技術センターなど開発 /愛知

出典:毎日新聞

 瓦の裏面にスズをコーティングして省エネ効果を高める遮熱三州瓦が開発され、10日に常滑市の県産業技術研究所常滑窯業技術センターの研究発表会で報告された。夏は涼しく、冬は結露を防止して住宅の耐久性を高めるという。
 同研究所と名城大、瓦メーカーの神清、金型メーカーの高浜工業など6者が共同開発した。窯業技術センターが07年度に開発したコーティング技術を応用し、08年度から実用化に向けての研究が続けられた。コーティングは、すりガラスを作る際に用いるサンドブラストの砂をスズに換え、削り取る代わりにスズの膜を形成する技術を開発。また、安価にスズを付着させる装置も開発した。
 スズを付着させることで、真夏の屋根裏でスレート瓦より約11度、既存の三州瓦より約5度の温度低下が確認された。冬場は放射冷却を抑えることで結露による屋根の下地の野地板が劣化するのを防ぎ、住宅の寿命を長くする効果が考えられるという。
 10日は名城大の吉永美香・准教授や同技術センターの片岡泰弘さんらが研究成果を発表した。【河部修志】

3月11日朝刊

2010.03.11

絶縁体に電気信号伝送 電子の自転活用 東北大グループ

出典:河北新報

 東北大金属材料研究所の斎藤英治教授(物性物理学)らの研究グループは、従来、電気を通さないとされる絶縁体に電気信号を流すことに成功し、11日付の英科学誌ネイチャーに発表した。「スピン」と呼ばれる電子の自転の性質を活用し、波として伝えることで実現。直接電流が流れるのではなく、電気信号だけが伝送される。エネルギー損失がなく、斎藤教授は「新しい省エネルギー情報伝達技術の道が開けた」と話している。

 研究グループは絶縁体の一種「磁性ガーネット」の表面に、二つの薄い白金電極を離して配置。一方の白金に電流を流したところ、もう一方の白金で電圧が発生した。白金をつなぐのは絶縁体だけで、電気信号が絶縁体の中を伝わったことが分かった。

 白金中の電流が変換されて電子スピンの流れが生じ、これが作用して絶縁体中に「スピン波」が発生して内部を伝達。伝わった波が、もう一方の白金中の電子スピンに作用して電圧が生じた。

 電気を通す金属や半導体には電気抵抗があり、電流を流せば発熱してエネルギーが失われる。一方、スピン波は電流を使わずに電気信号を伝えるため、熱は発生せず、エネルギー損失は抑えられる。

 電気抵抗をゼロにする「超電導」技術でも、電流を流してもエネルギーは失われないが、セ氏マイナス100度以下の環境に限られるため、一般利用は困難。今回の手法は、高電圧をかけずに室温で実現できるなどの利点がある。

 パソコンなどに使われる素材を金属などから絶縁体に変えられれば、エネルギー損失が抑えられる。例として、集積回路に使われる長さ1000マイクロメートル(1ミリ)、幅0.1マイクロメートルほどの金属配線を絶縁体配線に変えれば、最低でも約80%のエネルギーを削減できるという。

 磁性を持つ絶縁体であれば、ガーネット以外でも実現の可能性がある。斎藤教授は「電気伝導の発見以来300年間、絶縁体は電気を通さないと信じられてきた。今回の発見で、省エネ電子技術の研究はさらに進むだろう」と話した。

<革新的な成果/大谷義近・東京大物性研究所教授の話>
 革新的な研究成果だ。エネルギーロスの少ない情報通信技術として大きく注目されることは間違いない。今後は、効率の良い物質を探すのが重要な応用研究になるだろう。関連研究が進展すれば、情報通信のインフラに変革を引き起こすかもしれない。

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